デザイナー土屋の考察 VOL.5

仕立ての良いジャケット…

昨今、環境や場所、シーンによってはジャケットなんて肩っ苦しい…なんて言われてしまう自由な時代ではあるが…

男たるものジャケットに少なからず一度は袖を通した事があるのではないだろうか?

スーツ仕事じゃないから、俺は着ない!なんて人は、学生時代には詰め入りの学ランやブレザーなど着る機会は無かっただろうか?

そもそもなんでジャケットが好きなのか…

もちろんメンズファッションのクラシックな定番アイテムとしても、また専門学校が「仕立て」の学校だったりもある…

ただ掘り下げると原点は 中学生の制服(規制外)でおそらく火がついた…
と言うより「虜」になった…
当時は「不良ズボン」なんて言われる、学校指定外の制服ブランドが数多くあった。



その多くは今の若者にはイメージしにくい極端なデザインの制服がカッコいいとされ、各社ブランドは競いあって個性があった。

まあシルエットはさておき…その学ランやズボンの縫製は「仕立て」の技術がふんだんに盛り込まれた素晴らしいものだった

袖ボタンは本切羽だったりコインポケット、フラップの剣先、ループ、裏地、隠しポケット…もう「仕立て職人」のこだわりの塊であった
しかもオーダーシステムも既にある程(笑)

そんな原点を懐かしく思いながら今ではすっかり大人(おじさん)になった僕はイタリアのジャケットなどをshopで手に取っては、フラップポケットの内側に(隠しポケット)がないかな〜なんて無意識にそっと指をなぞってしまう…(笑)

ジャケットなんて随分と羽織ってないな…なんて人
是非次の休みには押し入れの奥底にある学ランではなく「ジャケット」などを羽織って出かけて見ては如何ですか?